読書が習慣になってきたら、次に考えたいのが「どれだけ内容を覚えているか」です。せっかく本を読んでも記憶に残らないと学びが深まりません。そのため、読んだ内容を記録する「読書ノート」を活用してみることをおすすめします。本記事では、初心者でも取り組みやすいシンプルな読書メモ術を、心理学や記憶の科学に基づいてご紹介します。
なぜ読書ノートが重要なのか?-科学的な視点から
読書ノートをつける理由は、単に内容を忘れないためだけではありません。心理学的には、エンコーディング効果と呼ばれる現象があり、情報をメモやノートに書くことで、脳が情報をより深く処理し、長期的な記憶に定着させやすくなります。また、自己参照効果と呼ばれる、自分の意見や考えを絡めることで記憶が強化される効果も利用できます。これにより、本の内容がより一層記憶に残り、知識として役立つようになります。
参考例: コーネルメソッドによるノート術
コーネル大学の研究に基づく「コーネルメソッド」では、見出し、要約、メモ、反省・要約の4つのステップに分けてノートを取ります。この方法は、効率的に記憶に残すためのノート術として知られ、学びを深めるのに役立ちます。読書ノートにこのメソッドを応用すれば、学びやすいとされています。
初心者向け簡単読書メモ術のステップ
初心者でもすぐに取り組めるシンプルな読書メモ術を3つのステップに分けて解説します。
ステップ1:本の目的と目標を決める
まず、読書を始める前に「この本から何を得たいのか?」を考え、目標を立てると効果的です。例えば、「仕事での効率を上げるヒントを得る」「新しい知識を増やす」「リラックスした時間を過ごす」など、目的を具体的に書き出しておくと、読むべきポイントが明確になり、メモも取りやすくなります。
メモの例:
- 本のタイトルと著者名
- 読む目的(例:「効果的な時間管理術を学びたい」)
- 目標(例:「日々のタスクの効率を上げる」)
Tip: 目的を決めることで、読むべき箇所やメモの優先度がはっきりし、効率よく内容を把握できます。
ステップ2:キーワードと重要ポイントを記録する
読んでいる最中に、「重要なポイント」や「心に残ったフレーズ」をメモに残します。あまり詳細に書きすぎると手間がかかるので、シンプルに書き留めるのがコツです。具体的には、以下のようにまとめると効果的です。
- 章ごとのメモ:章ごとに重要だと思ったキーワードやポイントを1〜2行程度で書く
- 自分の意見や考え:そのポイントについてどう感じたかや、日常での応用方法も記録する
メモの例:
- キーワード:「時間管理」「習慣化」
- 印象に残ったフレーズ:「日々の小さな行動が、未来の大きな成果につながる」
- 自分の考え:「毎朝の5分間を習慣にして、少しずつ学びを積み重ねたい」
Tip: キーワードと重要ポイントのメモは、本の要点を整理する助けになりますが、それだけでなく、自分の考えを記録することで記憶に残りやすくなります。
ステップ3:まとめと再考する時間を設ける
本を読み終えたら、簡単なまとめをノートに記録します。ここで重要なのは、要約だけでなく、読んだ内容を日常生活でどう応用できるかを考えながら書くことです。2〜3日後に再度ノートを見直し、記憶の定着度を確認する「リキャップ」の時間を持つとさらに効果的です。
メモの例:
- 本のまとめ:「時間を効率的に使うための具体的な方法が学べた」
- 今後のアクション:「朝の5分を習慣にして1週間後に効果をチェック」
Tip: 一度書いて終わりにせず、見返すことで内容をより深く理解し、長期的な記憶として脳に定着させます。
おすすめのノート形式とツール
初心者には、ノートやアプリを活用して手軽に始められる方法がおすすめです。以下に、紙とデジタルの両方の形式の利点を紹介します。
紙のノート
紙のノートは手書きで書くことで、記憶に残りやすいとされています。手書きによる記憶の強化が期待できるため、特に記憶を重視したい人におすすめです。罫線付きのシンプルなノートやバレットジャーナルを使うと、気軽に書き始められます。
デジタルノート・アプリ
デジタルツールを使いたい方には、EvernoteやOneNoteなどのノートアプリが便利です。これらのアプリでは、キーワード検索やタグ付けで内容を整理できます。また、デジタルならではの機能を活かし、リンクや画像を貼り付けて情報を視覚化することも可能です。
読書ノートを続けるためのポイント
読書ノートは、続けることに意義があります。以下に、読書ノートを長続きさせるコツをいくつか紹介します。
- メモの量を少なくする:あまり多く書こうとせず、重要なポイントに絞ることで、気軽に続けられます。
- 自分のペースを守る:一気に書き終えようとせず、1冊ごとに数分ずつのメモ作業を習慣化しましょう。
- 定期的に見返す:メモは書いたらそれで終わりではありません。1週間や1か月ごとに見返すと記憶が定着します。
- 読書後の実践を意識する:メモに書いた内容を実際に試してみることで、さらに理解が深まります。
読書メモ術を応用したさらに効果的な学び方
さらに効果的な学び方として、「自分の言葉で再説明する」方法もあります。読んだ内容を家族や友人に話したり、SNSやブログに書いたりすることで、知識が整理されやすく、理解が深まります。また、他人に説明することで、新たな発見や理解が生まれることもあります。
具体例: SNSでのアウトプット
読書ノートの内容をTwitterやInstagramで共有することで、他の読者と交流し、自分の考えや感想に新たな視点が加わることもあります。また、アウトプットの場としてSNSを利用することで、記憶に定着しやすくなり、学びが深まるでしょう。
まとめ
読書ノートは、ただのメモではなく、学びや記憶を深めるためのツールです。初心者でも気軽に取り組める簡単なメモ術から始めて、自分のペースで続けていきましょう。記録しながら、読み返しや実践を通じて読書体験をさらに豊かなものにしていってください。