前回までの記事では、読書の楽しみ方や習慣化の方法など、読書の全般的な内容について書いてきました。本記事では、現代において確実に普及してきている電子書籍について書きたいと思います。従来の紙の本と比較して、どのような強みがあるのか、その概要的な部分から紹介していきます。
電子書籍の概要
近年、スマートフォンやタブレット、専用の電子書籍リーダーが普及する中で、私たちの読書体験も大きく変わりつつあります。その中で、電子書籍(デジタルブック)は、従来の紙の本とは異なる新しい形で我々読者に提供される書籍です。
では、そもそも電子書籍とは何なのかを見ていきましょう。
電子書籍は、コンピューターや電子デバイスで閲覧できるデジタル版の書籍のことです。形式は主に「ePub」や「PDF」などがあり、デジタル化された文章や画像を、専用のアプリやデバイスで読むことができます。これにより、物理的なスペースを必要とせず、数百冊以上の書籍を1つのデバイスにまとめて持ち運ぶことが可能です。
電子書籍の購入方法も非常に簡単で、Amazonや楽天、Apple Booksなどのオンラインストアにてワンクリックで購入し、すぐに読み始めることができます。この即時性が、忙しい現代人にとっては大きな魅力の一つです。
紙の本との違い
電子書籍と紙の本の違いについては、読書の目的や好みによってどちらを選ぶべきか考え方が分かれます。ここでは、両者をいくつかの側面から比較してみます。
保存場所
紙の本は物理的な場所を必要とし、本棚や収納スペースを確保する必要があります。一方で、電子書籍はデジタル形式なので、1台のデバイスに数百冊以上保存でき、場所を取らないというメリットがあります。
持ち運び
紙の本は一度にせいぜい数冊しか持ち運べませんが、電子書籍ならデバイス一つで大量の書籍を持ち運ぶことができ、旅行や通勤中でも手軽に読書が楽しめます。読む対象のタイトルを決められる場合は良いですが、電子書籍は本棚ごと持ち歩いている感覚ですので、選択の自由度もより高くなります。
購入の手軽さ
紙の本は書店や通販で購入する必要があり、通販の場合には本が手元に届くまで数日かかってしまいますが、電子書籍はインターネットを通じて購入した後、即座にデバイスへ反映されるので、その場ですぐに読み始めることが可能です。これにより、本の在庫切れの心配や、到着を待つ必要がないという強みがあります。
読書体験の違い
紙の本は物理的なページをめくる感覚や紙の匂いなど、五感を通じて楽しめる要素があり、これを重視する読者も多いです。一方の電子書籍は、紙の質感は感じられないものの、利便性が重視されており、カスタマイズ可能な読書体験を提供します。次のセクションで紹介する便利機能により、読みやすさを自分に合わせて調整することができます。
電子書籍の便利機能
電子書籍には、紙の本にはない、さまざまな便利機能があります。これらの機能を上手く活用することで、読書の効率や楽しさが大きく向上します。ここでは、代表的な機能をいくつか紹介します。
ブックマーク機能
紙の本ではしおりなどを挟むことで、どこまで読んだかを記録しますが、電子書籍ではブックマーク機能を使って、ワンタップで現在のページを保存できます。また、複数の場所にブックマークを付けることができ、ブックマーク対象の文章も一覧で確認できるため、気になる章や節を後で簡単に振り返ることが可能です。
読書中の検索機能
紙の本では、特定のキーワードやフレーズを探すのは時間がかかる作業ですが、電子書籍では検索機能を使うことで、文章全体から瞬時に該当箇所を見つけることができます。例えば、登場人物の名前や特定のテーマについて再確認したいとき、簡単に検索して関連する箇所にジャンプすることができます。
辞書機能
紙の本では、読めない漢字や知らない単語が出てきた際、その都度スマートフォンなどで意味を検索する必要がありました。しかし、電子書籍では該当部分を選択することで、その場で読み方や意味を即座に確認できます。これは、読書を中断せずに言葉の意味を調べられるだけでなく、読書中に別のデバイスへ注意が逸れることも防ぎます。
ハイライトとメモ機能
電子書籍では、重要な箇所や気になった部分にハイライトを付けたり、メモを追加することができます。これにより、読んだ後で復習したい部分や、他の人に紹介したい部分を簡単に整理できます。さらに、このハイライトやメモは他のデバイスでも同期されるため、どこでも振り返ることができます。
フォントや背景のカスタマイズ
電子書籍のもう一つの大きな利点は、文字の大きさや行間の幅、背景色を自分好みにカスタマイズできる点です。紙の本では固定されたフォントやページレイアウトに従う必要がありますが、電子書籍では自分の目に優しい設定に変更できるため、長時間の読書でも疲れにくくなります。
クラウド同期機能
AmazonのKindleや他の電子書籍リーダーでは、クラウドに読書の進捗やブックマークが保存され、複数のデバイス間で同期されます。例えば、通勤中にスマートフォンで読んでいた本を、家ではタブレットで続きを読む、といった使い方が簡単にできるため、非常に便利です。
おすすめの活用方法
これらの便利機能を活用することで、電子書籍の読書体験はより快適で効率的なものになります。以下は、電子書籍を最大限に活用するためのおすすめの方法です。
通勤時間やスキマ時間を有効活用
電子書籍は、いつでもどこでも読むことができるため、通勤時間やちょっとした待ち時間にも読書を楽しむことができます。例えば、乗り換えが多く細切れになった電車の移動時間や、病院での順番待ちなど、わずかな時間を無駄にせず活用することで、日常生活に読書を取り入れる習慣が身につきます。「少しの読書時間のために荷物を増やしたくない」という人でも、スマートフォンで手軽に読書ができます。
ハイライトやメモを活用
ビジネス書や専門書を読む際には、ハイライト機能を使って重要なポイントを押さえたり、メモを付けて自分なりの解釈や考えをまとめることが効果的です。後からその部分を振り返ることで、知識の定着を助けます。紙の本でも線を引くことなどはできますが、電子書籍ではそれらを一覧で振り返ることができたり、複数デバイスで共有できたりと、利便性がより向上しています。
読書クラブやSNSでの共有
電子書籍では、ハイライトやメモをSNSで簡単に共有することができます。自分が読んで感銘を受けた金言や、他の読者と共有したい考えなどを発信することで、読書仲間と繋がるきっかけを作ることができます。
まとめ
電子書籍は、紙の本と比較しても多くの利便性と機能を備えた新しい読書スタイルです。ブックマークや検索、メモやハイライトなどの機能を活用することで、ただ読むだけでなく、効率よく情報を整理しながら楽しむことができます。デバイスさえあればいつでもどこでも本を楽しむことができる電子書籍を、これを機にあなたも試してみてはいかがでしょうか?